BALMAIN（バルマン）は、ピエール・バルマンが設立したフランスを代表するファッションブランド。

洗練された美しさとエレガントさが特徴のBALMAIN（バルマン）は、他のブランドと一線をかくす高級感あふれるコレクションを提供しており、パイソンやレザーを取り入れた斬新なデザインであっても、統一感のある色彩と上質なレザーの質感がモダンでラグジュアリーに仕上げられている。

商品ラインナップは多種多様で、メンズやレディースアイテムはもとより時計やバッグ、財布、ネクタイなどの小物アクセサリーまでそのラインナップは幅広い。

当時、クリスチャン・ディオール、クリストバル・バレンシアガとともにオートクチュールブランドのビッグ3と言われたピエール・バルマン。

1914年、紳士服の卸業を営む父親とブティックを経営する母親の間に生まれたバルマンは、幼少のころからファッションを身近に感じながら育った。

パリ国立美術館で建築を学んでいたバルマンだったが、イギリス人デザイナー、エドワード・モリーヌにデッサンを見せたところ、その才能を評価され1934年からモリーヌのメゾンで働き始める。

その後、39年からルシアン・ルロンのメゾンでモデリストを担当。同じくモデリストとして働いていたクリスチャン ディオールと切磋琢磨しながら、デザイナーとしての技術を磨いた。

1945年にメゾンから独立したバルマンは、自分の名前を冠にしたオートクチュール・メゾン「ピエール・バルマン」を設立する。

バルマンのデザインは、とてもエレガントで世界のセレブ女性たちから人気を集めた。ヴィヴィアン・リー、エヴァ・ガードナー、マレーネ・ディードリッヒ、ブリジッド・バルドーといった当時のトップ女優たちがこぞってバルマンのドレスを身にまとった。

映画や舞台衣装にも使われるようになると、演劇界の最高栄誉とも言われるトニー賞の衣装デザイン賞を受賞するほどになった。 1982年にピエール・バルマンが死去すると、アシスタントを務めていたエリック・モルテンセンがブランドを引き継ぐが、BALMAIN（バルマン）はしばらく不遇の時代を迎えることとなる。

2004年には破産法の申請によってショーを休止せざるを得ない状態にまで追い込まれた。

BALMAIN（バルマン）の窮地を救ったのは、2006年にクリエイティブ・ディレクターに就任したクリストフ・ドゥカルナンだった。

これまでのクラシカルなテイストから一転してモダンテイストを打ち出したドゥカルナンはBALMAIN（バルマン）のイメージを一新させた。

彼が打ち出した、力強い女性像を描いたバイカースタイルはBALMAIN（バルマン）のアイコンスタイルとなった。

クリストフ・ドゥカルナンの後を引き継いだのは、ロベルト・カヴァリで経験を摘み、ドゥカルナンのアシスタントだった、当時25歳のオリヴィエ・ルスタンだった。

ルスタンは、ドゥカルナンが推し進めたモダナイゼーションを踏襲しつつ、強烈な個性を発揮し、オートクチュールブランドでクラシカルで富裕層マダム向けというBALMAIN(バルマン)のイメージを一転、若者やメンズから絶大な支持を受けるブランドに変貌させた。

これまでの伝統は守りつつ新たなことにも果敢に挑戦するオリヴィエ・ルスタン、彼の作り上げる新たなBALMAIN（バルマン）は、これからもファッション界の注目を集め続けるだろう。